執筆のきっかけ

「レゴのしくみで遊ぶ本」をお持ちの方、入手できなかった方へのメッセージ

 


拙著「レゴのしくみで遊ぶ本」は、復刊ドットコムで多くの方々に復刊の支持をいただきました。

私も筆者として、レゴジャパン、ソフトバンククリエイティブに対して、長らく復刊の交渉を続けてきましたが、さまざまな理由で復刊をあきらめざるをえない状況となりました。

復刊を熱望していただいた方々の期待に応えたい − その気持ちからこの「LEGO Technic 虎の巻」執筆の意思を固めました。といっても、「レゴのしくみで遊ぶ本」の焼き直しでは、私も楽しくないですし、版権を持つ出版社と権利上の問題が起こる可能性もあります。そこで、「小さなアイデアを提供する」「完成形はあなたが作る」という「レゴのしくみで遊ぶ本」のコンセプトは継承しつつ、次のように内容を一新しました。

 


最新パーツに対応

「レゴのしくみで遊ぶ本」初版は1999年。今年は2007年。この8年の間にギアやモーターをはじめ、多くの新パーツが登場しました。「LEGO Technic 虎の巻」はこれらの新パーツに完全対応しています。

また、1999年の頃は作品の骨格としてビーム(ポッチのある穴あき部品)を使うことが主流でしたが、最近ではリフトアーム(ポッチのない穴あき部品)を使うのが主流になりつつあります。「LEGO Technic 虎の巻」はビームを使った作例も、リフトアームを使った作成も掲載しています。さらにそれぞれの長所を活かしながら混在させる「ハイブリッド」な作例も掲載しています。

 


内容のさらなる充実

総ページ数215ページ。作例300点以上。写真点数は、なんと1700超。「レゴのしくみで遊ぶ本」と比べて、ページ数で約2倍。作品数で約3倍。圧倒的なボリュームでさまざまな機構をお楽しみいただけます。



PDFファイルで配布自由・代金後払い

欲しがっている人に「レゴのしくみで遊ぶ本」を届けられない‥。オークションでは1万円を超える価格で取り引きされている‥。正直言って、筆者としてとても心苦しい状況でした。
同じことを繰り返したくないという気持ちからPDFファイルでの自由配布という流通方法を採用しました。

そして、「継続してこの本を読み続けたい」という方に、1000円または10ドルの代金をお支払いいただく − というシステムにしました。もちろん、誰にも代金を払っていただけない場合、執筆にかかった労力は全部持ち出しになるわけですが、それでも構わないという覚悟を決めました。

※PDFファイルは 「Adobe Reader」という無償ソフトウェアで表示や印刷ができる形式のファイルです。



PDFファイルならではの便利さ

「物としての価値感が希薄」「レゴの組み立て場所のそばにパソコンが必要」などといったPDFファイルがゆえの欠点もありますが、「写真を拡大して表示できる」「見たいページだけを印刷すれば紙の無駄がない」というメリットもあります。
今のところ出版の予定はありませんが、出版社などから打診があった場合は、条件交渉する可能性はあります。

 


「レゴのしくみで遊ぶ本」「MINDSTORMS NXT オレンジブック」と同様に「LEGO Technic 虎の巻」も、かわいがっていただけると幸甚です。

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2007年10月 五十川芳仁(いそがわよしひと)